Lesson 17 – Workbook Reading

「死ぬこと」を考える 

   おおくの高齢者こうれいしゃは、「きること」にいっしょうけんめいで、平均へいきん寿命じゅみょうびることをいことだとかんがえる時代じだいきてきた。 「ぬこと」などとおさきはなしで、自分じぶん人生じんせいにはあまり重要じゅうよう問題もんだいではないとおもっていたはずだ。 ところが、ふとがつくと、まわりに自分じぶんおなじような年齢ねんれいものえ、おな年代ねんだいものあつまると、「ぬこと」は、無視むしするわけにはいかないまえ問題もんだいとしてはなわざるをなくなった。
   「ぬこと」がいまほどおお話題わだいになる時代じだいはなかったのではないだろうか。 しかし、「きること」 が 「ぬこと」 とちか関係かんけいにあった時代じだいはあった。 まれてすぐの長生ながいきできず、治療ちりょうむずかしい病気びょうきになればたすからない。 そればかりではなく、火事かじ台風たいふうなどでかんがえられないほどおおくの犠牲ぎせいた、そんな時代じだいのことだ。自分じぶんが、 あるいは、 家族かぞくだれかがいつぬことになるのか、さきえない状況じょうきょうきている時代じだいには、「きること」のすぐとなりに 「ぬこと」があった。
   その時代じだいひとたちは、「ぬこと」は、いまとはべつの、つぎ世界せかいくことだとかんがえ、きていた。きる努力どりょくをすれば、くるしむことのない人生じんせいっていると宗教しゅうきょうにもおしえられ、つぎ世界せかいでのより人生じんせい目指めざしてきていた。あたまなかで「ぬこと」をいつも意識いしきしながら、 「きること」に努力どりょくした。 「ぬこと」がいまよりずっと、「きること」 にちか時代じだいきていた。
   すうじゅう年前ねんまえから予測よそくされてはいたが、いわゆる高齢こうれい社会しゃかいえるかたちになってきた。 社会しゃかい高齢こうれいは、高齢者こうれいしゃをどうあつかえばいいのか、つづける長期ちょうき入院にゅういん患者かんじゃたきりのお年寄としよりの看護かんご経済けいざいてき問題もんだいだれ責任せきにんつのかなど、これまで経験けいけんしたことのないおおきな問題もんだいをもたらした。 また、高齢こうれいによって、「ぬこと」を真剣しんけんかんがえるようになればなるほど、 かけがえのないいまいのちをより大切たいせつにして「きること」 につながるのではないかということが、社会しゃかいのひとりひとりにいかけられている。
Translation of passage

I. 上の文を読んで、正しいと思う文に〇を付けてください。

1.(  )(おお)くの高齢者(こうれいしゃ)は、長生(ながい)きはいいことだと(かんが)える時代(じだい)()きてきた。

2.(  )高齢者(こうれいしゃ)(さま)々な年代(ねんだい)(ひと)と「()ぬこと」について(はな)すことが(おお)くなった。

3.(  )(いま)は、以前(いぜん)より「()ぬこと」が(おお)話題(わだい)になる時代(じだい)である。

4.(  )(むかし)は「()きること」と「()ぬこと」が(ちか)関係(かんけい)にあった。

5.(  )(むかし)(ひと)()んだ(あと)()(かい)存在(そんざい)(しん)じていなかった。

6.(  )(つぎ)世界(せかい)とは、()んだ(あと)()(かい)のことである。

7.(  )高齢(こうれい)()社会(しゃかい)起こ()った問題(もんだい)以前(いぜん)から予測(よそく)されていたことで、それほど(おお)きな問題(もんだい)ではない。

8.(  )高齢(こうれい)()問題(もんだい)()いかけているのは、「()ぬこと」を真剣(しんけん)(かんが)えれば「()きること」につながるのではないかということだ。

☞ Answer

1.( 〇 )(おお)くの高齢者(こうれいしゃ)は、長生(ながい)きはいいことだと(かんが)える時代(じだい)()きてきた。

2.( ✕ )高齢者(こうれいしゃ)(さま)々な年代(ねんだい)(ひと)と「()ぬこと」について(はな)すことが(おお)くなった。

3.( 〇 )(いま)は、以前(いぜん)より「()ぬこと」が(おお)話題(わだい)になる時代(じだい)である。

4.( 〇 )(むかし)は「()きること」と「()ぬこと」が(ちか)関係(かんけい)にあった。

5.( ✕ )(むかし)(ひと)()んだ(あと)()(かい)存在(そんざい)(しん)じていなかった。

6.( 〇 )(つぎ)世界(せかい)とは、()んだ(あと)()(かい)のことである。

7.( ✕ )高齢(こうれい)()社会(しゃかい)()こった問題(もんだい)以前(いぜん)から予測(よそく)されていたことで、それほど(おお)きな問題(もんだい)ではない。

8.( 〇 )高齢(こうれい)()問題(もんだい)()いかけているのは、「()ぬこと」を真剣(しんけん)(かんが)えれば「()きること」につながるのではないかということだ。

☞ Answer + Translation

1.( 〇 )(おお)くの高齢者(こうれいしゃ)は、長生(ながい)きはいいことだと(かんが)える時代(じだい)()きてきた。

                        Many older people have lived through an era in which living a long life was considered good.

2.( ✕ )高齢者(こうれいしゃ)(さま)々な年代(ねんだい)(ひと)と「()ぬこと」について(はな)すことが(おお)くなった。

                        Older people have increasingly begun discussing death with people of various generations.

3.( 〇 )(いま)は、以前(いぜん)より「()ぬこと」が(おお)話題(わだい)になる時代(じだい)である。

                        Today, death is discussed more often than it was in the past.

4.( 〇 )(むかし)は「()きること」と「()ぬこと」が(ちか)関係(かんけい)にあった。

                        In the past, life and death were closely connected.

5.( ✕ )(むかし)(ひと)()んだ(あと)()(かい)存在(そんざい)(しん)じていなかった。

                        People in the past did not believe in the existence of a world after death.

6.( 〇 )(つぎ)世界(せかい)とは、()んだ(あと)()(かい)のことである。

                        The "next world" means the world after death.

7.( ✕ )高齢(こうれい)()社会(しゃかい)()こった問題(もんだい)以前(いぜん)から予測(よそく)されていたことで、それほど(おお)きな問題(もんだい)ではない。

                        The problems caused by an aging society were predicted beforehand and are not particularly serious.

8.( 〇 )高齢(こうれい)()問題(もんだい)()いかけているのは、「()ぬこと」を真剣(しんけん)(かんが)えれば「()きること」につながるのではないかということだ。

                        The issue of population aging asks whether thinking seriously about death may lead us to think about life.


II. 次の質問に答えてください。

1.  (おお)くの高齢者(こうれいしゃ)にとって、「()ぬこと」はどんなことでしたか。

2.「()ぬこと」と「()きること」が(ちか)時代(じだい)とは、どんな時代(じだい)でしたか。

3.  その時代(じだい)()きていた(ひと)にとって、「()ぬこと」とはどういうことでしたか。

4.  筆者(ひっしゃ)社会(しゃかい)高齢(こうれい)()によって、(なに)()いかけられていると()っていますか。

☞ Answer

1.  (おお)くの高齢者(こうれいしゃ)にとって、「()ぬこと」はどんなことでしたか。

          (はや)(さき)(はなし)で、自分(じぶん)人間(にんげん)にはあまり必要(ひつよう)問題(もんだい)ではないと(おも)っていました。

2.「()ぬこと」と「()きること」が(ちか)時代(じだい)とは、どんな時代(じだい)でしたか。

          子供(こども)長生(ながい)きできず、火事(かじ)台風(たいふう)などで(おお)くの犠牲者(ぎせいしゃ)()るような、自分(じぶん)家族(かぞく)がいつ()ぬかわからない時代(じだい)です。

3.  その時代(じだい)()きていた(ひと)にとって、「()ぬこと」とはどういうことでしたか。

          (いま)とは(べつ)の、(つぎ)世界(せかい)()くことでした。

4.  筆者(ひっしゃ)社会(しゃかい)高齢(こうれい)()によって、(なに)()いかけられていると()っていますか。

        「()ぬこと」を真剣(しんけん)(かんが)えることが、かけがえのない(いま)(いのち)大切(たいせつ)にして「()きること」につながるのではないかと()いかけられています。

☞ Answer + Translation

1.  (おお)くの高齢者(こうれいしゃ)にとって、「()ぬこと」はどんなことでしたか。

          (はや)(さき)(はなし)で、自分(じぶん)人間(にんげん)にはあまり必要(ひつよう)問題(もんだい)ではないと(おも)っていました。

        For many elderly people, what did “dying” once seem like?

        They thought it was something far in the future and not a particularly pressing issue for themselves.

2.「()ぬこと」と「()きること」が(ちか)時代(じだい)とは、どんな時代(じだい)でしたか。

          子供(こども)長生(ながい)きできず、火事(かじ)台風(たいふう)などで(おお)くの犠牲者(ぎせいしゃ)()るような、自分(じぶん)家族(かぞく)がいつ()ぬかわからない時代(じだい)です。

          What kind of era was one in which “dying” and “living” were close to each other?

          It was an era when children often did not live long, many people died in fires and typhoons, and no one knew when they or their family members might die.

3.  その時代(じだい)()きていた(ひと)にとって、「()ぬこと」とはどういうことでしたか。

          (いま)とは(べつ)の、(つぎ)世界(せかい)()くことでした。

         For people living in that era, what did “dying” mean?

        It meant going to a next world different from the present one.

4.  筆者(ひっしゃ)社会(しゃかい)高齢(こうれい)()によって、(なに)()いかけられていると()っていますか。

        「()ぬこと」を真剣(しんけん)(かんが)えることが、かけがえのない(いま)(いのち)大切(たいせつ)にして「()きること」につながるのではないかと()いかけられています。

         According to the writer, what question is being raised by the aging of society?

         It raises the question of whether thinking seriously about death may lead us to value our irreplaceable present lives and to live more meaningfully.