空がおみやげ
言葉もできないし、気が進まないと言っていた友達が、初めて外国へ行った。この間会ったときに、「どうだった」とたずねたら、 「外国へ来た」とはあまり思わなかったそうだ。有名な所へ行ったり、 そこでしか食べられない料理を食べたりしたけれど、テレビや写真で見ていたので、「あれか」と思っただけだと言う。その友達が「それでも」 と言ってこんな話をした。
「空を見つけた」と言うのだ。行った所は、交通機関が便利ではなかったので、どこかへ行くときは、まようこともあったけれど、歩くことにしていた。高い建物が少なく、前を見ても、横を見ても、先の方まで空が見える。朝早くおきて、「海は、だいたいこっちの方向か」と見当をつけて歩いていると、遠くの方から空がオレンジ色になってきた。道や建物がオレンジ色になるのを見ながら、自分もオレンジ色になるのかなと思ったと言う。夜、とまっていたホテルを出てみると、広い空には、星がたくさん出ていた。いつもとはちがう世界へ来たように思ったそうだ。
学生時代にどこかで読んだ、 「東京には空がない。本当の空が見たい」と書いた人の気持ちがよくわかった。どこまでも続く広い空を見てよくわかったと言って、にっこりする友達は、あまり見せたことのない顔をしていた。私は、友達が初めての外国旅行で、テレビや写真ではしょうかいされることのないもの、「見つけた空」 をおみやげに持って帰ってきてくれたと思いながら、話を聞いた。
「空を見つけた」と言うのだ。行った所は、交通機関が便利ではなかったので、どこかへ行くときは、まようこともあったけれど、歩くことにしていた。高い建物が少なく、前を見ても、横を見ても、先の方まで空が見える。朝早くおきて、「海は、だいたいこっちの方向か」と見当をつけて歩いていると、遠くの方から空がオレンジ色になってきた。道や建物がオレンジ色になるのを見ながら、自分もオレンジ色になるのかなと思ったと言う。夜、とまっていたホテルを出てみると、広い空には、星がたくさん出ていた。いつもとはちがう世界へ来たように思ったそうだ。
学生時代にどこかで読んだ、 「東京には空がない。本当の空が見たい」と書いた人の気持ちがよくわかった。どこまでも続く広い空を見てよくわかったと言って、にっこりする友達は、あまり見せたことのない顔をしていた。私は、友達が初めての外国旅行で、テレビや写真ではしょうかいされることのないもの、「見つけた空」 をおみやげに持って帰ってきてくれたと思いながら、話を聞いた。