Marugoto N2 – 第27课:编舟记(舟を編む)

词汇

词汇

词汇释义
万能ばんのう万能
落胆らくたん(する)沮丧
愛着あいちゃく依恋
完全無欠かんぜんむけつ完美无缺
無機質むきしつ无机质(名词)
語釈ごしゃく释义
根気こんき毅力
執念しゅうねん执念
はん版本
格闘かくとう(する)格斗
编织
刻印こくいん(する)刻印
てんで完全地;全然(用于否定)
兄貴あにき哥哥
荒物屋あらものや杂货店
鷹揚おうよう泰然自若;豁达
捕鯨船ほげいせん捕鲸船
乗組員のりくみいん乘员;船员
仲裁ちゅうさい(する)仲裁;调解

语法

语法


~どころか

连~也不

◎ 表示与预期完全不同,常用于含不满或不快的说法

1. いそがしくて、海外かいがいどころか、ちかくの温泉おんせんにもけない。
     因为太忙、别说出国了、连附近的温泉都去不了。

2. かれあやまるどころか、文句もんくっていたそうだ。
     听说他非但没有道歉、反而还在抱怨。


~到底

◎ 不放弃,坚持到底

1. これが、かれらがかんがいてした結論けつろんだった。
     这是、他们反复考虑后得出的结论。

2. 途中とちゅう何度なんどかあきらめかけたが、最後さいごまではしいた。
     中途好几次想要放弃、但坚持跑到了最后。

阅读

   辞書じしょかならずしも万能ばんのうではないとり、荒木あらき落胆らくたんするどころか、ますます愛着あいちゃくふかめた。★かゆいところにとどききらぬ箇所かしょがあるのも、頑張がんばっているかんじがして、とてもいい。けっして完全無欠かんぜんむけつではないからこそ、むしろ、辞書じしょつくった人たちの努力と熱気が伝わってくるようながした。
   一見いっけんしただけでは無機質むきしつ言葉ことば羅列られつだが、この膨大ぼうだいかず見出みだ語釈ごしゃく作例さくれいはすべて、だれかがかんがえにかんがいていたものなのだ。なんという根気こんき。なんという言葉ことばへの執念しゅうねん
   小遣こづかいがたまるたび、荒木あらき古本屋ふるほんやはしった。辞書じしょ改版かいはんされると、それ以前いぜんはん古本屋ふるほんや安価あんか売買ばいばいされることがおおい。ことなる出版社しゅっぱんしゃのさまざまな辞書じしょを、すこしずつあつめてくらべた。使つかまれて表紙ひょうしがちぎれたもの。まえぬしみや赤線あかせんのこるもの。ふる辞書じしょには、つく使つかい手の言葉との格闘のあと刻印こくいんされている。
   国語学こくごがく言語学げんごがく学者がくしゃになって、おれ自分じぶん辞書じしょみたい。高校二年生こうこうにねんせいなつに、荒木あらき大学だいがく進学しんがくさせてくれと父親ちちおやたのんだ。
   「はあ?国語学こくごがくって、なんだそりゃ。おまえ、日本語喋にほんごしゃべれるじゃねえか。 なん大学行だいがくいってまで国語こくご勉強べんきょうする必要ひつようがある」。
   「いや、そうじゃなくて」。
   「そんなことより、みせ手伝てつだいしろ。ははちゃん腰痛こしいためちゃってんだぞ」。
   てんではなしつうじない父親ちちおや説得せっとくしたのは、『岩波国語辞典いわなみこくごじてん』をくれた叔父おじだった。
   「まあまあ」兄貴あにき」。
   数年すうねん一回いっかいしか実家じっか荒物屋あらものやかおさない叔父おじは、鷹揚おうよう仲裁ちゅうさいした。叔父おじ捕鯨船ほげいせん乗組員のりくみいんで、なが航海こうかいあいだ辞書じしょあじおぼえたらしい。しんせきのあいだではわりものとおっていた。
   「こうちゃんはわりとかしこじゃないか。おもって大学だいがくへやったらどうだい」。

三浦みうらしをん『ふねむ』光文社こうぶんしゃより)

CHECK
Q1 荒木あらき辞書じしょのどんなところに愛着あいちゃくかんじていますか?
Q2 荒木あらき辞書じしょつくったひとたちのことをどうおもっていますか?

☞ 翻译
   
辞書じしょかならずしも万能ばんのうではないとり、荒木あらき落胆らくたんするどころか、ますます愛着あいちゃくふかめた。
得知词典并非万能,荒木非但没有沮丧,反而越发加深了对它的喜爱。
★かゆいところにとどききらぬ箇所かしょがあるのも、頑張がんばっているかんじがして、とてもいい。
★有些顾不到的地方,反而让人感觉编者很努力,这非常好。
けっして完全無欠かんぜんむけつではないからこそ、むしろ、辞書じしょつくった人たちの努力と熱気が伝わってくるようながした。
正因为它绝非完美,反而让人感受到词典编者们的努力与热情。

   
一見いっけんしただけでは無機質むきしつ言葉ことば羅列られつだが、この膨大ぼうだいかず見出みだ語釈ごしゃく作例さくれいはすべて、だれかがかんがえにかんがいていたものなのだ。
乍看之下只是冰冷的词语排列,但这海量的词条、释义和例句全都是有人反复思考后写出来的。
なんという根気こんき
多么惊人的耐心。
なんという言葉ことばへの執念しゅうねん
对词语的执念啊。

   
小遣こづかいがたまるたび、荒木あらき古本屋ふるほんやはしった。
每当攒够零花钱,荒木就跑去旧书店。
辞書じしょ改版かいはんされると、それ以前いぜんはん古本屋ふるほんや安価あんか売買ばいばいされることがおおい。
词典一旦改版,之前的版本常常在旧书店以低价被买卖。
ことなる出版社しゅっぱんしゃのさまざまな辞書じしょを、すこしずつあつめてくらべた。
他把不同出版社的各种词典一点点收集起来,互相比较着阅读。
使つかまれて表紙ひょうしがちぎれたもの。
有的被反复使用,封面都被撕破了。
まえぬしみや赤線あかせんのこるもの。
有的保留着前任持有者的笔迹或划红线的痕迹。
ふる辞書じしょには、つく使つかい手の言葉との格闘のあと刻印こくいんされている。
旧词典上刻印着制作者与使用者在文字上的较量痕迹。

   
国語学こくごがく言語学げんごがく学者がくしゃになって、おれ自分じぶん辞書じしょみたい。
成为国语学或语言学的学者,我也想亲手编一本词典。
高校二年生こうこうにねんせいなつに、荒木あらき大学だいがく進学しんがくさせてくれと父親ちちおやたのんだ。
高中二年级的夏天,荒木向父亲请求让他上大学。

   
「はあ?国語学こくごがくって、なんだそりゃ。おまえ、日本語喋にほんごしゃべれるじゃねえか。 なん大学行だいがくいってまで国語こくご勉強べんきょうする必要ひつようがある」。
「哈?国语学那是什么玩意儿。你不就是会说日语吗。干嘛非得上大学去学国语。」

   
「いや、そうじゃなくて」。
「不,不是那样的。」

   
「そんなことより、みせ手伝てつだいしろ。ははちゃん腰痛こしいためちゃってんだぞ」。
「别说那些了,去帮店里干活。你妈腰痛呢。」

   
てんではなしつうじない父親ちちおや説得せっとくしたのは、『岩波国語辞典いわなみこくごじてん』をくれた叔父おじだった。
说服那个根本讲不通的父亲的,是把『岩波国語辞典』给了我的叔叔。

   
「まあまあ」兄貴あにき」。
「好了好了,兄长。」

   
数年すうねん一回いっかいしか実家じっか荒物屋あらものやかおさない叔父おじは、鷹揚おうよう仲裁ちゅうさいした。
那个几年才来一次老家的杂货店的叔叔,从容不迫地居中调解了。
叔父おじ捕鯨船ほげいせん乗組員のりくみいんで、なが航海こうかいあいだ辞書じしょあじおぼえたらしい。
叔叔是捕鲸船的船员,似乎在漫长的航海中培养出对词典的兴趣。
しんせきのあいだではわりものとおっていた。
在亲戚中被认为是个怪人。

   
「こうちゃんはわりとかしこじゃないか。
「こうちゃん不是挺聪明的孩子吗。」
おもって大学だいがくへやったらどうだい」。
「干脆让他去上大学怎么样?」


三浦みうらしをん『ふねむ』光文社こうぶんしゃより)
摘自三浦しをん『舟を編む』光文社


CHECK
Q1 荒木あらき辞書じしょのどんなところに愛着あいちゃくかんじていますか?
      荒木对词典的哪一点感到留恋?
An かならずしも万能ばんのうではないところ。
      并非万能之处。

Q2 荒木あらき辞書じしょつくったひとたちのことをどうおもっていますか?
      荒木如何看待编撰词典的人们?
An  努力家どりょくか熱意ねついったひとたち。
      勤奋且充满热情的人们。